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カズ発言で炎上の張本勲氏は、ブレない日本プロ野球主義

野球評論家である張本勲氏の発言が物議を醸した。張本氏は自身がコメンテーターを務める番組にて「キングカズ」こと三浦知良選手(48)に対して、「もうおやめなさい」と引退勧告を突きつけた。三浦選手はこの発言に、「もっと活躍しろと言われてるんだなと思いました」と発奮材料として受け取っているようだ。

2015/04/14

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プロ野球愛が強い人にサッカーの意見を求める意味は?

 張本氏はメジャーリーガーに対しても非常に辛口で厳しい立場を取っている。日本プロ野球の空洞化を危惧してのことだろう。野茂英雄の成功に始まり、日本プロ野球のスター選手達がどんどんメジャーリーグに流出していき、肝心の日本のプロ野球が空っぽになって人気が低迷してしまうという考え方だ。
 その考え方が正しいかどうかはさておき、まず日本プロ野球が盛り上がることを考えている。
 川﨑宗則が、国内かメジャーで2015年のプレー先が決まっていなかった時は「日本に戻ってこい」とエールを送った。鳥谷敬が阪神残留を決めた際は、「あっぱれ!」とまで言い切った。

 ある意味、日本プロ野球主義者とも言えるだろう。

 サッカーに対しては、昨年W杯の真っ只中に番組中「もうサッカーの話はもういいんじゃない?」とバッサリ切ったこともあった。また、野球の立場からすればサッカーは日本のメジャースポーツ内では大きなライバルだ。観客、人気、話題を奪い合うだけでなく、将来スターになる人材までもが今や奪い合う関係になっているのが野球とサッカーだ。
 なお、この番組では、サッカー解説者の中西哲生氏もゲストでコメンテーターを務めることがある。その際、中西氏はサッカーの立場から冷静に自身の知見、背景などを述べて張本氏らに対して異見を挟む形でバランスをとっている。しかし毎回参加しているわけではない。4月12日放送の回はいなかった。
 もしあの時中西氏がいたらサッカーの立場として、異議を唱えていただろう。それによって視聴者も両方の立場の意見を聞く事で自分達の中で消化することができたはずだ。

 サッカーに対する一連の張本氏の発言は、視聴者にとって決して気持ちのいいものではない。一方で、このコーナーが面白いと番組側も後押ししている側面があることも否めない。

 こういう主張をすると野球、サッカー以外のスポーツはどうする?という話になるだろう。もちろん全てのスポーツのコメンテーターを立てるのが理想だが、それは現実的ではないし、そのようなことをやっている番組もない。日本のスポーツの現状では野球とサッカーがある種対立する要素を多く含んでいる。ああいった番組構成を考えるならば、現在の日本のプロスポーツ界の状況を鑑み、サッカー版ご意見番も常設し、時に張本氏とも白熱した議論のぶつけ合いをする形にすべきではないだろうか。

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