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小宮山悟氏、仁志敏久氏ら元プロ選手が実技で指導法を講義~プロとアマの垣根を越えた指導者講習会

1月16日から18日まで、千葉県の幕張メッセで開催された「野球指導者講習会BASEBALL COACHING CLINIC」。ルールや栄養学など専門分野のスペシャリストの講義や、元プロ選手の実技指導を受けられるとあって、全国からアマチュア野球の指導に携わる人々が駆けつけた。

2015/01/25

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元プロ野球選手が教える実践的な指導法

 投手の実技研修を受け持った、メジャー経験もある元ロッテの小宮山悟氏は、「選手にケガをさせないことが指導者にとって一番大事」と熱弁。投球動作において、余計な負荷がかからない体の使い方を指導していった。
 
 肩関節の可動域の重要性や、ボールを握った腕を振り上げたときのヒジの角度、体の軸を上下ではなく、横にスライドさせることなど講義は細部にまで展開された。
 
 捕手部門の実技研修にあたったのは、大矢明彦氏。ヤクルトで長く正捕手を務め、横浜の監督としても実績を残した同氏は、「捕手は、野球に関するさまざまなことを覚えるのに絶好のポジション。いい選手に育てるために一度はやらせたい」と、独自のキャッチャー論を説いた。
 
 キャッチャーミットを構えたときの人差し指の方向、スローイングの精度を高めるためのキャッチボールにおける意識づけ、チーム内でのコミュニケーションやリード論にいたるまで、受講生に向けて熱心な指導を繰り広げた。
 
 守備の講師を務めた仁志敏久氏は、子どもたちを指導する際の言葉使いに言及。子どもたちの受け取り方の幅を広げるために、「こうしなさい」など断定的な言葉を使わないように指導。「○○な感じ」と話すことで、子どもたちの受け取り方の幅が広がり、練習にも飽きづらいと説明した。
 
 実際の守備練習の指導では、守備動作を「スタート(初動)」「ボールを追う」「ボールを捕る」「投げる」の4つの動きに分解して解説。それぞれに細かく言及しながら、上記の4つの動きを自然に滑らかに行えるよう指導してほしいと説いた。
 
 打撃の講義にあたった元西武の高木大成氏は、軟式特有のボールを上から叩くバッティングは選手としての可能性を狭めると指摘。中学・高校に入って硬式野球に移行した際、打球をしっかりと前に飛ばすために、バットをまっすぐに振ることが大切だと説いた。
 
 その後は、受講者からの質問に答える形で「バットの握り」「ミートポイント」「下半身の使い方」「フォロースルー」などを、自身の経験や現在のトッププレーヤーを例に、練習法や指導の仕方について説明していった。
 
 この実技研修をもって、3日間に及んだBCCは終了。講義12コマ、実技6コマなど履修要件を満たした受講者は、公益財団法人日本体育協会公認コーチ、および指導員講習会の専門科目講習のすべてが免除されることになっている。

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