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埼玉アストライア・加藤優が、オリックス・駿太から受け取ったメッセージ。「私にとってターニングポイント」【不定期連載「花になれ」】

女子プロ野球、埼玉アストライアの加藤優。ルーキーイヤーとなる今季は、前期こそ好調だったものの、後期は不振に陥ることもあり、辛いことも多かったが、シーズンが終わった現在は来季に向けたモチベーションが最高に高まっているという。最近は自身のSNSに限らず、テレビやラジオでも“オリ姫”を公言しているほどのオリックスファンである加藤だが、なかでも同じ外野手である駿太は憧れの存在として意識している。その駿太から直接送られた言葉とは? 大いに語ってもらった。

2016/11/30

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どら増田



「自信を持っていい」駿太からのアドバイス

 駿太さんはすぐに手紙を読んでくれたそうなんですが、私もシーズン中でしたし、なかなか大阪に行けないじゃないですか。そう思っていたら、9月27日に雨天振替の試合が伏見(京都)で組まれたんですよ。しかもデーゲームだったので、これは夜の京セラドーム(オリックス対楽天)に行くしかないと(笑)。試合途中からになったんですが、スタンドに入ったら、ちょうど駿太さんが代走で出てきてヒット1本でホームに還ってきたのを見れました。
 
 試合が終わったあと、関係者の方の計らいでグラウンドに降りさせてもらって、駿太さんともお話することができました。第一印象は…カッコ良かったです(笑)
 
 限られた時間でしたが、ありがたいことに手紙の内容も含めて、いろいろと相談に乗ってもらいました。そのとき私はレフトからライトにコンバートしたばかりで、守備につく恐怖心みたいなものがあったんです。使い続けてもらうことが、他の選手に申し訳ないなって思っていたんですけど、それを相談したら「レギュラーは自分の力で掴み取ったものなんだから、他の人のことを気にする必要はない。もっと自信を持ちなよ」と言ってくれたんです。憧れの選手からの言葉は重く響いて、泣きそうになりました。
 
 あと駿太さんが「今年1年やってみて、何事も素直になることが一番だなと思った」という話をされてて、私もいろんな人から話を聞いて吸収したいなと常に思っているので、共感できる部分が多かったです。駿太さんから練習にしても「俺はこうしてるよ」という話をいろいろ聞いて、それが私に足りないことだと思ったし、私も自分で答えを持って考えながら行動すれば、間違ってないんだろうなって思えるようになったのは大きいですね。
 
 私からすれば駿太さんは雲の上の存在なんですが、「これからは同じプロ野球選手として記事とかを見て、お互いのことを気にするようになるから、刺激し合えたらいいね」と最後に言ってくれて、次の日にホームランを打ったんですよ。あれは本当にうれしかったです。私も頑張らなきゃいけないなと思いました。
 
 駿太さんからお話を聞けたことがキッカケになって、今は練習が充実しています。来年に向けてのモチベーションが凄く高いんですよ。野球をやって来て今が一番楽しい。私にとってターニングポイントになるのは間違いないです。
 
 私がオリ姫になってから、たくさんのオリックスファンの方が球場に足を運んでくださったり、SNSやブログのコメントなどでも励ましの言葉をいただけるようになりました。本当に有り難いことだと思います。今年はアストライアもオリックスも最下位に終わってしまったので、来年は私と駿太さんでお互いに優勝争いをして、もっとたくさんの方に試合を見に来てもらえるように頑張ります。

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