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WBC初出場・イスラエル代表は台風の眼? メジャー勢加われば大会屈指の強力打線に

イギリス、ブラジル、パキスタンとの戦いを制しWBC本大会への初出場を決めたイスラエル代表。本選出場となれば多くのユダヤ系メジャーリーガーが加わる可能性があり、参加メンバー次第で打線は大会最強クラスとなる。

2016/10/01

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期待のオーダーが組めれば、強力打線形成

 現地22日から25日にかけて米国・ブルックリンで行われたWBC予選第4組。イギリス、パキスタン、そして前回大会出場のブラジルを破って韓国行きの切符を掴んだのはイスラエルだった。

 第4回大会にして本大会初出場となるイスラエル。一見野球との関係は薄そうだが、ゆかりの現役メジャーリーガーは多い。

 WBCの大会ルールでは、メジャーリーガーの出場が可能だ(実際に参加するかは不透明)。予選メンバーは、マイナーリーガーや元メジャーリーガーを中心に構成されたが、本選にもしもメジャー各球団の主力選手が参加するとなれば、一気に非常に手ごわいチームに化ける可能性も秘めている。

 実際、『MLB.com』でイスラエル対イギリス戦が中継された際に紹介された、イスラエル代表の期待オーダーだ(◎は予選から参加の選手)。

2B イアン・キンズラー(タイガース)
SS アレックス・ブレーグマン(アストロズ)
LF ライアン・ブラウン(ブリュワーズ)
RF ジョク・ピダーソン(ドジャース)
3B ダニー・バレンシア(アスレチックス)
CF ケビン・ピラー(ブルージェイズ)
1B アイク・デービス(◎ ヤンキース)
DH ネイト・フライマン(◎ レッドソックス傘下)
C ライアン・ラバーンウェイ(◎ ブルージェイズ傘下)

 この中で最も知名度が高いのが2011年のナリーグMVPであるライアン・ブラウン。デビュー2年目の08年から5年連続でシルバースラッガー賞を受賞、一時禁止薬物問題で名声を落としたものの、今季はここまで打率.307、本塁打30本、90打点と完全復活している。この2年間で40盗塁と脚も使え、加われば打線に大きな柱ができる。

 ブラウンの前を打つのがキンズラーとブレーグマンの2人か。ベテランのキンズラーはここまで1番打者ながら.289 27本塁打 81打点の活躍。バットに加えて二塁守備もトップクラス、脚も使え短期決戦にも強いとこの上ない1番打者だ。ブレーグマンは2015年に全体2位で指名され、今年7月にはメジャー昇格を果たした早熟のルーキー。OPS.791の打撃に加え、一塁以外の内野3ポジションを守れる器用さはチームに幅を持たせることができる。

 中軸が期待されるピダーソンはメジャートップクラスの飛距離が持ち味。本塁打・三振・四球全てが多いいわゆる「アダム・ダン型プレイヤー」ながら、センターの守備も平均以上。左投手という明確な弱点はあるが、ルーキーイヤーの昨年は5試合連続本塁打を放つなど一度波に乗ると手が付けられなくなる。前回大会の予選にも参加している。

 2年連続で.800近いOPSを残す強打の三塁手で「左キラー」としても名高いバレンシアや、ここ2シーズンで守備防御点43を誇るメジャー屈指の中堅手ピラーも加わる可能性がある。

 下位を打つことが予想された3人はいずれも予選から参加の元メジャーリーガー。デービスは12年にメッツで32本塁打の長距離砲。フライマンは実績こそ100試合強ながら13年にマリアーノ・リベラからサヨナラ打も放った勝負強さと堅守が売り。レッドソックス等でプレーしたラバーンウェイは名門イェール大出身の強打の捕手で、予選決勝で特大弾を放ったパワーが魅力だ。

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