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センバツでプロも注目、長田・園田涼輔。偏差値70超進学校のエースは甲子園に導けるか【2016年夏 各地区逸材ファイル8】

今年の春のセンバツでは21世紀枠で出場を果たした兵庫県・長田高校。県内有数の進学校に、プロが注目する投手がいる。再び、あの甲子園のマウンドへ――園田涼輔の夏がまもなく始まる。

2016/07/07

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最後まで1人で投げ抜く気持ちで

 その鋭い観察力は高校生活の中随所に現れている。文化祭や大きな行事では、誰よりも笑いをとり校内でも人気者で、同校校長も思わず舌を巻くほど。一方では、下級生が担当するような清掃や道具の整理なども、永井監督曰く「気がつけば園田が率先して行っている」という。そんな人間性もあり、部員達も「園田で負けたら仕方ない」と絶対の信頼を寄せる。

 センバツ後は度重なる怪我に悩まされている。右肘の回復が遅れ、腰への違和感も重なるなど本来の投球からは程遠い状況が続いている。それでも、同じくセンバツ出場校創志学園との練習試合では、1イニングをピシャリと抑える圧巻の内容で、復調の兆しを見せ始めた。

 最後の夏を目前に控えた今、園田は再び甲子園の地に足を踏み入れることに照準を絞った。

「今年の夏は最後まで1人で投げ抜くという強い気持ちでトレーニングしています。もう一度、あの舞台に戻りたい。勉強も全力ですが、今は何よりその想いが強いです」

 夏の甲子園県大会を間近に控え、放課後の2~3時間という限られた練習時間に加え、朝、昼練習の時間も割き、調整のピッチを早めている。塾や宿題というハードなスケジュールを同時にこなしながら。プロからの注目について問うと、「正直、僕も野球人なので、プロの世界に興味がないというと嘘になります。ただ、大企業で研究者をしたいのも本当なんです。野球をする時は野球に、勉強をする時は勉強。今は野球に集中することで、後悔のない夏にしたいです」

 状態は決して万全ではない。だが、超進学校のエースは逆境を乗り越えチームを甲子園に導けるのか。その投球に注目してほしい。

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