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勝率6割超え“都市対抗に強い”三菱重工広島がJABA京都大会V。指揮官は元カープ代打の切り札【横尾弘一のプロにつながる社会人野球】

4月27日から、わかさスタジアム京都ほかで第67回JABA京都大会が開催され、三菱重工広島が初優勝を果たした。

2016/05/11

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グランドスラム



決勝は激闘に

 大下を先発に立てた三菱重工広島は、國本の適時打で1回裏に2点を先制。二死満塁から失策で同点にされた直後の3回裏にも1点を勝ち越すが、6回表には二死から失策をきっかけに3点を奪われてしまう。これで形勢逆転した三菱重工神戸・高砂は、7回表に6-4とリードを広げるも、その裏に同点とされ、再び流れは三菱重工広島へ。8回裏一死一、三塁から、四番・井口晴樹がバットを折りながらもセンター前に落とし、この1点で逃げ切るかと思われたが、三菱重工神戸・高砂は9回表二死三塁から那賀の左前安打でしぶとく追いつく。

 そうして延長に突入すると、タイブレークの11回は互いに犠飛で1点を取り合い、12回表に三菱重工神戸・高砂が併殺打で無得点に終わると、その裏にも松永弘樹が右犠飛を放ち、三菱重工広島が3時間49分の激闘にピリオドを打った。最高殊勲選手賞が鮫島、敢闘賞は守安とエースが決勝進出の原動力となり、他の投手が貴重な経験を積んだことは都市対抗予選に向けて大きなプラス要素だろう。

 実は、三菱重工広島は“都市対抗に強い”チームだ。1979年に初出場で優勝を飾ると、86年にベスト4、96年に準優勝と実績を重ね、昨年もベスト4に進出。出場15回で通算23勝14敗の勝率.622をマークしており、元・広島の町田公二郎監督が率いる今季も着実に力をつけている。また、惜しくも敗れた三菱重工神戸・高砂も、都市対抗では準優勝が最高だが、1997年に日本選手権を制している。若手の台頭で選手層が厚くなってきただけに、5月19日に開幕する都市対抗近畿二次予選での戦いぶりも楽しみだ。

【第67回JABA京都大会の結果】
◆リーグ戦Aブロック
三菱重工神戸・高砂 7×3 トヨタ自動車
NTT西日本 3×0 JR東日本
三菱重工神戸・高砂 8×6 NTT西日本
トヨタ自動車 4×3 JR東日本
JR東日本 9×0 三菱重工神戸・高砂
トヨタ自動車 1×0 NTT西日本
※三菱重工神戸・高砂とトヨタ自動車が2勝1敗で並び、当該対戦の勝敗で三菱重工神戸・高砂が決勝トーナメントに進出。

◆リーグ戦Bブロック
富士重工業 6×5 日本新薬
新日鐵住金東海REX 5×1 日本新薬
パナソニック 5×3 富士重工業
パナソニック 2×1 日本新薬
新日鐵住金東海REX 4×0 富士重工業
新日鐵住金東海REX 4×0 パナソニック
※新日鐵住金東海REXが3勝で決勝トーナメントに進出。

◆リーグ戦Cブロック
新日鐵住金かずさマジック 5×1 大阪ガス
三菱重工広島 3×0 ニチダイ
大阪ガス 6×1 ニチダイ
三菱重工広島 3×0 新日鐵住金かずさマジック
三菱重工広島 7×6 大阪ガス
新日鐵住金かずさマジック 2×0 ニチダイ
※三菱重工広島が3勝で決勝トーナメントに進出。

◆リーグ戦Dブロック
日本生命 13×3 シティライト岡山(7回コールド)
日本生命 12×1 島津製作所(7回コールド)
新日鐵住金広畑 3×2 シティライト岡山
日本生命 10×1 新日本製鐵広畑(7回コールド)
シティライト岡山 10×2 島津製作所(7回コールド)
新日鐵住金広畑 2×0 島津製作所
※日本生命が3勝で決勝トーナメントに進出。

【P3スコア2】
◆準決勝
三菱重工神戸・高砂 2×1 新日鐵住金東海REX(延長11回タイブレーク)

◆準決勝
三菱重工広島 7×0 日本生命(7回コールド)

◆決勝
三菱重工広島 9×8 三菱重工神戸・高砂(延長12回タイブレーク)
※三菱重工広島は初優勝

◆表彰選手
最高殊勲選手賞/鮫島優樹投手(三菱重工広島)
敢闘賞/守安玲緒投手(三菱重工神戸・高砂)
首位打者賞/福田和弘内野手(三菱重工神戸・高砂)=.500

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