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高校時代にダルビッシュも絶賛、2016年ドラフトの目玉は山岡。多士済々な社会人投手【横尾弘一のプロにつながる社会人野球】

2016年社会人投手も、プロ注目のドラフト候補が揃う。

2016/01/21

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安定感抜群の酒居、パワーピッチャーの北出らも


 その山岡に都市対抗一回戦で投げ勝ち、大阪ガスを準優勝に導いた酒居知史も多くのプロ球団が熱い視線を送る。ルーキーだった昨年、主要な公式戦で12試合に登板し、投球回数とほぼ同じ三振を奪って防御率1.36の安定感はピカイチ。好投手がひしめくチーム内の競争で、さらにスキルアップするのは間違いない。

 パワーピッチングで目を引くのは北出浩喜(パナソニック)。日本新薬に補強された都市対抗ではストッパーとして活躍したが、先発でも破壊力満点の投球を見せる。重量感あるストレートを軸に、どれだけチームの勝利に貢献できるか楽しみだ。

 潜在能力の高さなら、進藤拓也(JR東日本)や宝利 亮(日本製紙石巻)が群を抜く。進藤は184cm・78kg、宝利は186cm・81kgと体格に恵まれ、角度のあるストレートはスピンも効いている。ともに昨年の全日本ジュニア強化合宿に招集され、緩急を生かすためにスローカーブの重要性を説かれた。そうして投球の幅を広げれば、全国の舞台で一気に台頭してくるはずだ。

 また、将来性では山岡ともいい勝負なのが谷岡竜平(東芝)。強気のマウンドさばきと伸びのあるストレートで、昨年は名門チームのエース格に伸し上がった。ロースコアの接戦で1点も与えない我慢の投球ができれば、ワンランク上の評価を得られる。

 さらに、ドラフト解禁の昨年は指名がなかったものの、実力的には社会人でもトップクラスの猛者たちも、虎視眈々と全国制覇の先にプロを見据える。大卒3年目では猿川拓朗(日立製作所)、小野和博(富士重工業)、東谷 優(七十七銀行)の本格派右腕、左腕なら日本生命の夏秋連覇の原動力となった清水翔太のパフォーマンスからは目が離せない。高卒組では、4年目の江口昌太(JX-ENEOS)、5年目の北畑勇季(三菱自動車岡崎)や吉田奈緒貴(JR九州)がどんな投球を見せてくれるか。もちろん、それ以外にも、ひとつの勝利で瞬く間に先頭集団に割り込んでくるのが若い投手の魅力。3月9日に開幕する東京スポニチ大会で、2016年のサバイバルレースが幕を開ける。

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