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ドラフト有力候補にあがるも、チームに残留 小畑彰宏(大阪ガス)が選んだ道

2014年のドラフトでは、小畑彰宏(大阪ガス)も有力候補として名前があがっていた。しかし小畑は指名されなかった。それもそのはず、すでに大阪ガスへの残留を決めていたからだ。

2014/11/01

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Keiji Tokuyoshi



急造のサイドスロー転向が奏功

「成本年秀(投手)コーチから『腕が横振りになっている』と言われて、都市対抗予選後に(クセを生かせる)サイドスローへの転向を打診されました。それで実際ブルペンで3球ほど投げてみたら、威力のある球が投げられたので、僕自身も『コレならイケる!』と思って、思い切って(腕を)下げてみました。実は大学2年のときに1年間だけサイドにしたことがあったんですけど、そのときは筋力が弱かったこともあってヒジを痛めてしまい、元のスリークォーターに戻しました。(サイドに再転向して)幸い、身体の使い方とリリースのタイミングは覚えていたので、スムーズでしたね。昨秋から不調で、ずっと何かを変えなければと思ってはいたけど、何をしたらいいのかわからない状態だったので、いい契機になりました」

 小畑の躍進のカギは、成本コーチによる「突貫工事的フォーム改造」にあり! と言っても過言ではないだろう。

 かつてロッテで、河本育之とともに「Wストッパー」として名を馳せ、来季から東京ヤクルトスワローズの2軍チーフ投手コーチに就任する成本氏は、愛弟子の小畑についてこう語る。

「元々能力の高い投手なので、それをどう生かすのか悩みどころでした。現状では上積みが期待できないのと、以前サイドをやっていたというのを聞いたことがあったので、『再びやってみてはどうか?』と。実際、思いのほかしっくりハマりましたね。しかも、球威も課題だった制球もアップして、一石二鳥でした(笑)」

 9月の日本選手権予選では、今季都市対抗近畿地区第1代表の三菱重工神戸相手に先発し、7回2失点の好投。2年連続の本戦出場を決め、周囲は俄然色めき立つも、小畑の考えは違った。

「プロに入ることは今まで考えたことがなかったんですけど、今季の都市対抗や選手権予選での活躍で、気持ちが揺れました。でも、サイドにしてからまだ日が浅いし、上の世界でも活躍できるのか不安だったので、今回は残留を決めました。また、来季はプロ入り目指して頑張りたいと思います!」

 目下の照準は、今季最後の大会となる日本選手権(11月1日開幕)だ。

「選手権では都市対抗の成績を上回ること(4強以上)が目標です。本戦では先発か中継ぎ、どちらになるか分かりませんが、チームの勝利に貢献したいです」

 大阪ガスは、大会5日目の第3試合にJR北海道と対戦。選手権での活躍が、さらなる飛躍へと繋がるか。小畑の投球に要注目だ!

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