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米メディアが沢村栄治を特集。81年前アメリカに与えた17歳日本人投手の衝撃

伝説の大投手、沢村栄治の日米野球での快投は、初めて日本の野球がアメリカに衝撃を与えた瞬間と言ってもいいだろう。特にルース、ゲーリックら殿堂入りの4打者から奪った4者連続三振は未だに日本だけでなくアメリカでも語り継がれている。

2015/11/21

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スター集団のアメリカ打線から9奪三振

 まだ日本とアメリカの野球のレベルが天と地ほども離れていたこの時代、16試合行ったこの年の日米野球ではアメリカが16勝0敗と全勝。11月20以外の15試合でアメリカの総得点が180点だったのに対し日本は36得点しか取れなかったことからもそのレベルの差が垣間見える。
 
 そんなアメリカ圧倒的優勢の状況だっただけに、第9戦で沢村が見せた快投はより人々の記憶に残るものになった。
 剛速球と懸河ドロップと称された落ちるカーブを武器に6回まで米打線をルースのヒット1本のみに封じ込めた。
 7回にゲーリックにホームランを浴び1点を失ったものの、失点はそれだけ。味方打線が封じ込められ白星こそつかなかったが、8回完投し被安打はわずか5本、9つの三振を奪う見事なピッチングだった。
 
The high schooler entered the game in the fourth inning and struck out nine American batters including Charlie Gehringer, Ruth, Gehrig and Foxx in succession. Manager Connie Mack attempted to sign Sawamura after the game, but he refused and joined up with the Tokyo Giants as part of Japan’s first professional league (a league inspired in part by the ’34 games and the teenager’s performance).
 
その高校生はアメリカ打線からゲーリンジャー、ルース、ゲーリック、フォックスの4者連続を含む9つの三振を奪った。コミー・マック監督は試合後に沢村と契約しようとしたものの彼は拒否し、日本最初のプロリーグのチームの一つである東京ジャイアンツへと加わった。日本のリーグの発足は34年の日米野球、そして沢村の好投の影響を受けてできたものだ。

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