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高校球界から新たなスター誕生の予感――明治神宮大会で覚醒した大阪桐蔭の高山優希

明治神宮大会高校の部は、高松商の優勝で幕を閉じた。この大会には来年のセンバツや夏の甲子園で活躍を期待したい、好投手が多く出場した。

2015/11/21

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「押していけ」の真意

 準決勝戦を迎える前に、原稿はほぼできていた。

「ドラフト候補を中心に」と依頼された今回の企画は、当初、1回戦でぶつかりあった、敦賀気比・山崎颯一郎と創志館・高田萌生の投げ合いをテーマにしようと描いていた。

 ところが、準決勝の第2試合の9回表、ある選手の覚醒により、その青写真は覆された。
 大阪桐蔭のエース・高山優希が9回表に登板すると、それまでの登板とは違ったストレートを投げ込んだのだ。投じた11球すべてストレートを投げ込み、3人目の打者を三振に切った際には、球速が150キロを計示した。

 高山のストレートのMAXは146キロと聞いていたが、今大会では、そこまで届いたボールがほとんどなかっただけに、高山の覚醒には、驚かされたものである。

 もっとも、スピードだけを評価しようというのではない。
 この覚醒が演出によって巻き起こったものであり、ある逸材の高校時代と重なったからである。

 思い起こすのは2012年の春のセンバツ高校野球大会準々決勝・大阪桐蔭―浦和学院戦でのことである。
 1-1の7回裏、浦和学院の攻勢に、無死満塁のピンチを背負った大阪桐蔭の西谷浩一監督は、この日の先発登板を回避して途中登板していたエースの藤浪晋太郎(阪神)に伝令を送り込んだ。

「押していけ」

 配球のことをいったのではない。気持ちの面をいったのだ。
 そして、この窮地のピンチで、藤浪は三者連続三振に切って取ったのだった。
 2人目の打者には、当時のセンバツ大会最速記録となる153キロを計測。圧巻のピッチングと呼べるものだった。

 場面によって、場所によって、スターは生まれるものである。

「ここで三者三振に獲ったら、スターだっていう雰囲気を甲子園が作ってくれて、藤浪がそれに乗せてもらった」とは、その時の大阪桐蔭・有友茂史部長の言葉だが、この瞬間を境に、藤浪は人生を変えたのである。準決勝、決勝も投げ切り、センバツ初制覇を達成。続く夏の大会も制し、一躍、高校球界を代表する投手へと成り上がっていったのだ。

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