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米球界を沸かす韓国旋風。侍ジャパンが対峙する打線は、3~6番まで来季メジャーリーガー?

19日、プレミア12はいよいよ準決勝を迎え、日本は再び韓国と対戦する。その韓国代表に名を連ねる孫児葉(ソンアソプ)外野手が、所属する韓国・ロッテによりポスティング・システムにかけられた。3番の金賢洙外野手もメジャー挑戦を視野に入れていると言われ、韓国代表の打線でいうと3番~6番までが来季メジャーリーガーになる可能性が出てきた。

2015/11/18

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柳が開拓した道に、姜が橋を架けた

 最大の理由は、今季パイレーツに加入した姜正浩(カンジョンホ)内野手の活躍。9月16日の守備で走者と交錯し、左膝に大ケガを負ってシーズンを終えたが、そこまで遊撃と三塁を守りプレーオフ進出に大きく貢献。126試合に出場し、打率.287(121安打)、15本塁打、58打点の数字を残した。

 ナリーグの新人王投票で、最終候補の3人にも選ばれた。1位票30票の満票選出だったクリス・ブライアント(カブス)の後塵を拝したが、2位票が4票、3位票は16票も集めた。
 姜は昨オフ、ネクセンからポスティングにかけられ、パイレーツが500万2015ドル(約6億1500万円)で落札。4年総額1100万ドル(約13億5000万円)で入団した。韓国プロ野球から野手のメジャー挑戦は、史上初めてのことだった。

 その姜が下馬評を上回る活躍を演じた。日本選手で見れば、ルーキーイヤーの打撃成績では本塁打数は城島健司(マリナーズ・06年)の18本が最多記録。次いで松井秀喜(ヤンキース・03年)の16本、井口資仁(ホワイトソックス・05年)の15本と並ぶ。故障離脱による限られた打席数で15発は立派な数字。加えて落札金を足しても、単年あたりは400万ドル(約5億円)とメジャーのレギュラークラスでは格安のレベルだ。

 それ以前にメジャーでプレーした韓国野手の崔煕渉(チェヒソプ)、レンジャーズの秋信守(チュシンス)や、投手の朴賛浩(パクチャンホ)らは韓国球界でプレーする前に海を渡り、米球界で花開いた。そんな経緯もあり、韓国球界でプレーする韓国選手の評価はなかなか上がらなかった。
 その歴史を姜が変えた。投手では一足早く、13年に柳賢振(リュヒュンジン)がドジャース入り。韓国球界からメジャー挑戦した初の韓国選手となり、2年連続14勝と結果を残していた。中央日報は「柳が開拓した道に、姜が橋を架けた」と現状を伝えている。