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ヨーロッパに初のプロ野球リーグ誕生へ ユーロリーグベースボールの挑戦と課題

サッカーが中心のヨーロッパに、初のプロ野球リーグが誕生することになりそうだ。10月23日に「ユーロリーグベースボール」が2016年4月にスタートを切る見込みだ。その経緯とは、また開幕までにまだまだ課題がある。その現状とは?

2015/10/29

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EURO LEAGUE BASEBALL



開幕に向け二転三転も、少しずつ形を見せ始めたELB

 来春の開幕は一先ず決定したものの、まだ議論すべき点は多い。

 例えば、5月の構想発表段階ではオランダ、イタリア、ドイツ、フランス、スペイン、チェコの6リーグから2チームずつ、計12チームが予定されていた。
 結局9月までに右往左往し、ドイツが3チーム、チェコが1チームとなり、スペインは2チームとも参加を見送り、計10チームとなった。
 このELB参加チームは、各国リーグにも並行して参加する。

 同国同士の対戦は、各国リーグ戦での結果を反映させることになっている。そのため、各国から2チームずつの参加が望ましかったわけだ。
 その各国リーグ自体も、それぞれ異なる。オランダとイタリアのレギュラーシーズンは、週3試合で行う計42試合。ドイツ、フランスは週2試合の28試合が一般的で、チェコは35試合、オーストリアは20試合とばらつきが大きい。

 来年は他にも、5、6月に前述のクラブ単位のヨーロッパカップが開催、7月はオランダ代表がハーレムベースボールウィークに、9月は各国代表がヨーロッパ選手権に参加。それらを再考慮してか、ELBの試合数も9月の仮発表から先週の会合で、レギュラーシーズン5カ月、全36試合から、シーズン3、4カ月、全18試合へと変更になった。

 実際、ELB構想の発案者の一人で、リーグ会長でもあるオランダ人のウィム・ファンデンハーク氏も「現在も議論は続いており、今後も柔軟に対応していく。ただ費用対効果が鍵となるだろう」と述べている。

 10月に入り、ELB公式球サプライヤーにアメリカのウィルソン社が決定。推奨公式バットにはウィルソン社傘下のルイビルスラッガー社が決定予定と発表されるなど、着実に前進している。
 国によって野球環境も違い、経済状況も異なる中、どのように舵を切るのか。引き続き、注目である。

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